Gackt
〜Live Tour 2003 上弦の月〜
2003/5/31
日本武道館





MOON CHILDが遂に封切りになってから1ヶ月半、Gacktのライブに行ってきました。
今回のツアー、今まで以上に取ることが難しくなってしまって・・・、本当にラッキーにも行くことができて嬉しかったです。残念なのは、台風が接近していまして(苦笑)、大雨だったことくらい。足元がびしょびしょになってしまいました。
けれども日本武道館につく頃には小ぶりになっていて、さすがはGacktと言いたいところ。会場の出入り口にあるおびただしい数の花輪の中には、一際目立つ「HYDE」の文字。うーん、嬉しい!!
他のライブ会場では、HYDEラブ発言とかあったらしくて、羨ましいっ。聞きたかったなあ〜。
今回のライブではHYDE発言が無かったです。どうもHYDEが来ていたらしい、なんて話を耳にしましたが、本当でしょうか。だとしたら嬉しいです。(^−^)
席は一階西d列31番。かなり前にラクリマのLhasaアンコールでこの辺りの席に座ったことがあるのを、思い出しました。とても近くて、通路にGacktが来てくれたら、まるで手が届きそう。嬉しくてたまりません!!


ステージには、白い布がカーテンのように張ってありまして、中が見えないようになっています。とても幻想的でした。「MARS」の時も白い布がありました。何だかGacktらしさがたっぷり。


開演18時だったのですが、20分近く回ったでしょうか。いつもの「ボレロ」が鳴り響いている中(この曲、前日仕事しながら鼻歌歌ってしまいました・・・Gacktのライブというと、この曲なもので・・・)会場が真っ暗になります。
アルバム「MOON」の最初のイントロダクションから始まります。これは「下弦の月」と同じ。ただ、長崎くんちはいません。
布のカーテンが外されると、真っ白な煙が勢い良くステージに!多分、ステージを前にして見ている人には、ステージ上に誰がいるのかさっぱり分からなかったことでしょう。そのくらい白い煙。前列の人たちは、完璧に白い煙の中にいました(笑)

煙が落ち着くと、そこにはGacktがいます!白い衣装をまとっていますが、これはステージ上にいるほかのメンバー達も同じでした。「下弦の月」の黒い衣装白バージョン、なのではないかなあ。チャイナな感じで、スタンドカラーで。その動きにくそうな衣装なのですが、「Speed Master」の時なんて、動く動く!「下弦の月」同様に表れた仮面の男たち(かなりの数がいました)と
、蹴るわ殴るわの戦いが勃発します。その長い足から繰り出される蹴りとか、最高でした。
そして圧巻だったのが、間奏に行なわれる側転・宙返り!仮面の者どもが側転宙返りをしていくなか、最後にGacktもびしいっと決めてくれました。さらに、沢山の仮面の男が背を丸めた上を、勢い良く走っていって
ジャンプ、宙返り、着地!!これも最後にGacktが決めてくれます!!とってもかっこよく決まるんだな、これがまた(笑)君はV6か!!??
本当に上手にくるっと回って・・・凄かったです。よくアクロバットを趣味でやっている、みたいなことを言っていましたが、これはプロだなあ・・・と納得しました。
あんなにも動きまくり、闘いまくっておきながらも、声には全然影響しないのがまた凄いです。フツウはぶれます。
MOON CHILDの戦闘シーン、ひじょーーにきまっておりましたが、このGacktの生動きを見ていれば、納得するというものです。素晴らしかったー!!



数曲演奏すると、Gacktがふっといなくなります。
ギターの激しい演奏となり、しばらくしてから再登場、今度は黒い衣装をまとっていました。
ピアノが出現し、ピアノソロとなります。この、「いつのまにか現れるピアノ」っていう演出が凄く好き。すすす・・・と動いてやってくるピアノの姿なんて見たくありません(笑)
Gacktのピアノを聞いていると、どうしてこんなにも心が震えるのか・・・本当に毎回毎回、心を抉られる気持ちがします。切なくて切なくて、それでいて切ない。マリスの時からGacktのピアノは「静」と「動」の激しいコラボレーションが続き、そして際限無く切ないです。
死生観、寂寥感、孤独感・・・そんな感情がひしひしと伝わるのは何故なんだろう。ピアノって本当に感情を豊かに表してくれる素敵な楽器です。
ピアノと一緒にヴァイオリンも登場、更に一層心に染み渡ります。
どこまでも深く心に響く音が、ゆっくりと消えて・・・照明が一旦落ちます。Gacktが前方に立ったときには、ピアノは消えていました。こういう心憎い演出がまた素晴らしい!!ピアノがあったことがまるで幻であるかのよう。

今回も演出効果として、雨が降り注ぎました。何度見てもびっくりします。雨ですよ?(笑)
雨の中歌うGackt、床に這いつくばって、なんども空を見上げようとするけれどまた沈んで、倒れ伏して・・・を繰り返して。ほの暗い雨の中、非常に美しい画でした。雨を通る照明がぼやけて分散していて、幻想的です。
Fragranceはかなり大好きな楽曲ですが、(MOONといえばこの曲!という響きがあります。これはきっと個人個人で違うんだろうなあ)下弦の月の時のエロティックな演出とは、今回趣向を変えていました。意外と男らしく歌い上げている、という印象があったのですがいかがでしょうか?


それから、新曲の「月の詩」、これが始まる時も一旦ステージが真っ暗になります。そして浮かび上がるのは、小さな少年。少年がステージの高い位置にセットされた台の上に座っています。そう、ムーンチャイルドのショウの少年時代を演じた子が登場です。そこへGacktが近寄り、静かに歌い上げます。
あまりにも切ない楽曲で、また少年が静かにGacktを見上げたり、その背中に回って抱きしめたり・・・そんな演出がさらに感情を煽らせてくれました。涙が出るほどに美しいシーンでした。まるで映画を見ているかのよう・・・映画の続きを見ているかのような錯覚がありました。素晴らしい演出です。
ライブ中、そのような台があることにすら気がつきませんでした(笑)突然高い位置に少年が現れたので、驚いたものです。

もう順番がすっかりわからなくなってしまったのですが、とにかくMCはありました(苦笑)
いつもの「Gacktコール」、今回のGacktは「
きーーこーーえーーーなーーーいーーな〜〜〜」とまるでHYDEが言う「こんばんはあ〜〜〜らるく・あん・しえるでえええ〜〜〜〜〜す」みたいな言い方(似てるんだもの)で、ちょっと可愛らしかったです。少し拗ねているというか、甘えているというか。
「かかってこいよ!!」と最後締めると、ボルテージは一気に上がります!

「Mirror」が始まると、メンバーも一気にそこらじゅうを駆け巡ります。うーん、元気いっぱい★
Gacktもあちこち動き回ります。ここまで来るまで、ステージのほぼ中央にしかいなかったので、とても新鮮です。間近で見るGacktはやっぱり迫力がありました。今までで一番近くで見たからかな。他には無いオーラを感じてびっくりしました。
「な、何かが来る!!」っていうかんじ(笑)人がやってくる感じがしません。(笑)
勿論、バンドメンバーが来てくれたり、そんなときもとっても楽しかったです。
Gackt途中でステージの上に仰向けで倒れてしまうし。みんなでコールして、なんとか起き上がって仕切りなおし。相変わらず、「Oh!!」とか「Yeah!!」とかGackt音楽教師様が繰り出すいろいろな煽りを、みんなで追随するという・・・このときのGacktの生き生きとした表情といったら!!(><)
この曲では、ステージと客席がぐっと近くなる、そんな感じがしました。だから毎回演奏してくれるのかな。とても楽しくなる素敵な曲です。


MCでは、散々ペットボトルを客席に放り投げてから(2階席にも投げていましたが、ちょっと遠すぎたらしくて落ちて1階席に落ちてしまっていました・・・私の席、すごく近かったです!びっくりした〜〜)、本日接近していました台風のお話をしていました。
「雨の中ありがとう」というような感じで。
「みんな、雨が降ると残念だとか、そう思う人が多いと思うんだけど・・・それは間違いだと思うのね。なぜなら、雨は時として・・・大事な小道具になるから。」
そういえば、前に雑誌で「春雨じゃ、濡れて帰ろう」と春雨が大好きという話をしていましたね。そんなことを考えながら聞いていました。
でも、「みんなびしょびしょだね・・・あんなところもびしょびしょ・・・・」とか、どうしてもシモに行ってしまいます(苦笑)
「びしょびしょだね、って言われたら『ぬれぬれです』って答えるんだよ。」
と言い出し、おもむろに「びしょびしょだね・・・。」
客席は勿論大声で
濡れ濡れですー!!」なんだかバカばっか(笑:西川貴教風)
かなり楽しそうにお話をしていました。
それから、どんなつながりだったか忘れたのですが、Gacktが楽屋だかどこかだかで、昔のことを思い出した、ということを語ってくれました。


「修学旅行に行ったときのことを思い出したのね・・・」そこで客席から笑い声。
「なぜ笑う!!僕が修学旅行に行っちゃ悪いか!?僕にだって、修学旅行に行く権利はある!!」
でも変な感じ。Gacktが修学旅行に行くって考えると。

「どこに行ったかということは、そんなに重要なことじゃない。(客席はあいかわらずGacktにいっぱいはなしかけるので、それにいちいち答えてあげているんです、Gacktさん。)
夜になって、男同士で・・・暇なのね。何かしようっていうことになって・・・・
『そうだ、かくれんぼしよう!』(また笑いがおこります)
『いいね〜、かくれんぼ。じゃあ、一人2000円(だったとおもう)出して。それで、見つからなかったらその人がもらえるのね』
場所は、ホテルの中。時間は、3時間。どんなところを使ってもいいから、とにかく見つからなければ勝ち。鬼が5人(多分)いるのね。僕は絶対に見つからないでいてやろうと思って・・・・」
と、5,6階建て?か何かの旅館の中、自分達が泊まっている階ではない階に逃げる話をします。
『誰も居ない部屋にはいったのね、それでふすまの中を・・・ふすま・・・ふすま?違うよ、押し入れじゃん!!(一人で疑問系になって、一人で突っ込んでいました。可愛いです!
押し入れの中に入ったんじゃ、すぐに見つかると思ったのね。どうしようかな〜〜〜とおもって、ひょいっと上を見たら、何か柱があって、天井との間に隙間があったのね。これだ!!と思ってさ・・・
よじのぼって、せまーーーい隙間の間に入って・・・柱の太さは3センチくらいしかないんだけど、そこに足を乗せて、ずっとこの姿勢でいたわけ。』
と、まるでスパイダーマンか何かのようにステージに這いつくばるGacktさん。かなり腰を落としています。
もう、辛くて辛くてさ・・・足とかぷるぷる震えてくるわけ。この体勢で2時間くらい。
『誰か見つけてくれないかなあ・・・』と思って待っていたんだ。もう、早く見つけて欲しくてたまらないのね。
すると遠くから、人の声がするわけ。『
やっときたよ〜〜〜』と思って待っていると、人がたくさん入ってきて・・・
その人たちが、僕たちのほかに泊まっていた、
女子高の生徒だったのね。(客席大笑い)
『疲れたよね〜〜〜』っていいながら入ってくるんだけど、僕はあまりにびっくりして・・・降りるタイミングを逃してしまったんだ。タイミングじゃない?こういうの。もう、どうしよう、どうしよう・・・・って思って。
そうしたら、その女子高生たちが『ね、着替えない?』『着替えようよ』って口々に言うわけ。(客席悲鳴)
もう、これはまずいと思って・・・でも、こんな時に降りていったら、
間違いなく変態じゃない?だから、どうしたら悲鳴をあげられないか、一生懸命考えたのね。
それで、女子高生達が着替えを始める前に・・・
ストン、とその場から降りたのね。もう、女子高生に取り囲まれる状態で、ど真ん中。みんなびっくりして固まってるの。
こう言うときは、落ち着け、落ち着け、と自分に言い聞かせて・・・
どうも!あ、どうもどうも!
一人一人に挨拶したのね。とにかく落ち着いて。女子高生たちも、『あ、どうも・・・』って。誰も叫ばなかったね。
だから、もしここにいるひとたちのなかで・・・・男はいるよな?ああ、みんながそういう場面にでくわしたら、絶対に焦っちゃだめだ。落ち着いて、『
どうも。
そして、女性がもしこういう場面に遭ったら・・・まず遭わないとおもうけど・・・(そりゃそうだ)
おっきいですね!』『大きい、うん、貴方も大きい!あ、ちゅうくらい。うん、大きい!』(会場大笑)
こういえば、男は黙るから。それで、『
あ、どうも・・・』ってなるから(少し屈んで股間を隠す仕草)」
そんなかんじでやっぱり下ネタ満開でした。



ANOTHER WORLDはやっぱり元気一杯。トークをしている間にスタッフが出てきてGacktの太腿にベルトを回していたので、これはぜったいあの曲をやるな〜〜と思っていました。メンバーもとっても楽しそう♪
それからびっくりしたのは、「パパラパ」をやってくれました。確か、猫ちゃんが大量発生したのがパパラパだったとおもいます。20匹くらいの猫ちゃんが登場してきて、元気に踊ってくれました。Gacktも楽しそうーー!!いつもの、片手を二回ずつ空へ突き上げる仕草、みんなでやって楽しかったです。
ストリート系なダンスを見せてくれていたこの曲ですが、今回のライブでは猫ちゃんダンスと化していました。
Gacktも嬉しそうに猫っぽく飛び跳ねていましたよ♪うーーん、可愛い!
この猫ちゃん、開演前にアリーナをうろうろしていまして、客席のみなさんと握手したり、小さい子供の頭をなでたりしていました。それを見ながら「あの中にGacktがいたらおもしろいね」なんて話していたものです(笑)
そうそう、Gacktのライブだと、スタッフの皆さんスーツをお召しなのですよね。フツウのライブだと、ウィンドブレーカーとかジャケットとかを着ていたりするものなのですが・・・びしっとスーツを決めているスタッフのみなさん、かっこいいです。こんなところも、ひょっとしたらGacktのこだわりなのかな、と思ったりしました。

明るい曲がいっぱい詰まった楽しいライブが終わると、しっとりした曲を歌い上げます。新曲の「君が追いかけた夢」は、歌う前に
「もしも悩んだり苦しんだりすることがあっても、僕はいつもここにいるから・・・」
といったようなことを語りかけてくれました。それは何だかとても感動的で、包み込むような暖かさに溢れていました。嬉しくて、涙ぐんでしまったり・・・幸せな時間でした。楽曲自体もとても勇気の出る、優しくて力強い曲ですね。背中をそっと押してくれるような、そんな気持ちになります。Gackt自身が、いつもいつも夢を追いかけているから・・・それを見てるこちら側も、夢を追いかけていきたくなる気持ちに駆られます。

最後の曲を歌いきると、先にメンバーが退場。Gacktはじっと前を見たまま動きません。
そしてライブの最初に現れた仮面のものたちも、後方でじっと座っていたのですが、二人ずつ立ち上がりゆっくり退場していきます。「下弦の月」ではばったりと後ろに倒れましたが、今回はまるで仲間であるかのように、そっと後ろを振り向き去っていきました
最後にGacktが、ゆっくりとした足取りで去っていきます。
ものすごい歓声のなか、Gacktが去っていき・・・ステージに誰もいなくなります。

少ししてから再びステージに明かりがつき、メンバーやGacktが現れます。最後の曲(これが何だったか思い出せない)を歌い上げるときは、ステージ中央にせりあがる台が登場、
Gacktはその上に立ち、凛とした姿で歌い上げています。この背筋の伸びた姿で歌うGackt、すごく素敵です。
最初に着ていた白いチャイナ風のスーツ姿から、一転真っ黒な衣装に。(デザインは同じもののようです)
白と黒、陰と陽、Gacktによく似合います。
ステージ上に取り付けられた大きな円い照明器具があるのですが・・・これがぐんぐんとGacktの方に下がってきます。円い照明なので(フラフープのような形をしていると考えると良いとおもわれます)、中にすっぽりGacktが入ってしまいます。全方向からライトを当てられて歌う姿、とても幻想的でした。
そして・・・一瞬、真っ暗になり、ふっとライトが点灯。するとさっきまでGacktが居た場所に、ショウ役の男の子がひとり、佇んでいました・・・・・
拍手が沸き起こり、再びステージは闇に。
次に明かりが点いたときには少年の姿もGacktの姿も、メンバーの姿もありませんでした。

「・・・以上を持ちまして、すべての公演を終了させていただきます・・・・」




本当に、Gacktのライブは終わっても余韻の残る、不思議の世界への入り口だなあ・・・と思います。
しばらくのあいだ幻想世界をさまよっていたかのような。不思議と、その場から立ち去りがたくなります。
たくさんのファンが「Gackt、ありがとう!!」と叫んでいました。本当に、ありがとうと言いたくなるライブです。
ありがとう、Gackt。
また私たちの前に降りて来てくれるのを、楽しみにしています。



終わり



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