Gackt
〜Gackt Tour 2002 下弦の月〜
2002/10/19
東京国際フォーラム ホールA





小雨がぱらつく中、東京国際フォーラムは人でごったがえしておりました。
時間を勘違いしてしまい、少し早めに到着すると、入り口に置いてある花輪の数々はまだ後ろを向いたまま。いい香りがしています。物販は既に開いていたので、とりあえず見てみました。Gackt靴下がある・・・・(突っ込みどころ)


時間が近くなったので再び会場に向かうと、花束が通路側を向いていました。
雑誌関連の花束が多いです。B:PASSとか。ビビアン・スーとかコロッケから来ていました。堂本兄弟も勿論来ていました。

開場し中へ入ると、今回は一階42列36番ということで、1階の後ろから何列目かで、ちょうどど真ん中といえる場所でした。Gacktを真正面に見れる!!嬉しい!!かなり後ろのほうだったのでオペラグラスが欲しいところ・・・忘れてしまったので、要所要所で友達に借りることに。

幕が下りていて、紫色の妖しげなライトが4方から当てられています。曲が流れているのですが、クラシックの荘厳な感じ。それがボレロになってきたあたりで、「そろそろ始まるな」と感じました。どうしていつもボレロなんでしょうね?聞いてみたい・・・
会場内の全員がボレロを聞いているって変な感じ。
どんどん音が大きくなっていき・・・そろそろだな、と思ったところで曲がぶつっと途切れる!みんな騒然となったところで、しかしまたボレロが続く。会場内からがっかりとも苦笑ともとれるどよめきがありました。「よし、始めるぞ!いや、ちょっとまて!チャックがあいていた!」みたいな理由でしょうか(アホな)。
そんなことをしていたので、開演時間を大幅に遅れること25分、やっと照明が落ちて、場内が総立ちになりました。


最初はアルバム「MOON」の最初の曲から。荘厳な曲です・・・中国か?という感じがします。
普段のヨーロッパ然としたGacktからは意外な気もしたのですが、アジアの雰囲気漂う美しい曲です。
幕は閉まったままで、ステージ内で照明が付き、中のスクリーンに映像が映し出されます。それがまた何とも幻想的!!重厚な幕だったのですが、その時はまるで虫の羽みたいに薄く軽く感じました。幕をすかして、中の様子が見えます。メンバーも出てくると歓声が一気に高まります。
最後のフレーズが終わると一気に幕が開き、真中にはGacktが居るではありませんか。いつ入ってきたのか全然わかりませんでした!

全身真っ黒な革のハード衣装を身にまとっています。チャイナ服のようなかんじ?裾にひらひらがついています。なんかかっこいい!!イルミナティ的衣装です。
最初の一曲は「たかのゆりニューティークリニック」のCMでおなじみのあの曲です。これを聞くと無条件にGacktの裸体が浮かんでくる・・・こ、困るなあ。
声も綺麗に伸びていて本当に聞いていて心地よいです。うーん、今日も絶好調ですね!

と、うっとり聞いていると曲が終わるや突然Gacktの胸の上あたりで閃光が煌き、同時に「パン!」と大きな発砲音。何!?とびっくりしていると、Gacktが胸を押さえて激しく震えると、膝から崩れ落ちます・・・・
次の曲は「death wish」、Gacktが倒れているままなのですが、そのまま曲が続行されます。ステージ脇から4人の怪しい人物が登場。全員黒ずくめで、顔に白い恐ろしいマスクをしています。目と口がくりぬかれていて、顔にもなにか模様が書いてありました。その4人、動きがものすごく奇妙で、腕を上げて、軟体動物みたいな異様な動きをするのです。バイオハザードか?ゾンビ?みたいなかんじ。
さらにGacktのすぐ前で大きな炎がばっと燃え上がります!!ものすごく眩しい!一瞬、Gacktが燃えてしまったのかと思って本当にびっくりしました。
そしてその妖しい4人はじりじりとGacktに近づき・・・周囲を取り囲みます。曲のテンポに合わせてGacktを見えない力で引っ張り上げるような動きをします。と、Gacktがそれに引かれるように、カクンカクンと動き出し、立ち上がります。その動きは死者を蘇らすような・・・
5人になったゾンビ?みたいな集団、全体的にはゆっくりした動きですが、よく見ると大変高度なダンスを披露。Gacktは静かに歌い、時折4人と合わせた動きをするといったかんじでした。
Gacktが一番前に立ち、他4人が後ろに一直線に立って「秘儀・千手観音」を見せてくれました(笑)いや、本当に綺麗でした!曲の雰囲気ととっても合っていて!!ゆらりゆらりと回される10本の腕が本当にGacktから生えているみたいに見えて、これは真正面から見れてラッキーだ!と感じました。

「LU:NA」が始まると、今度はその4人とGacktが激しく戦いを始めます!
一度、「HEY!HEY!HEY!」で披露してくれたこともありましたが、あれに近い感じ。それよりももっと、全員で合わせたダンスを見せてくれて、それがまた激しくてびっくりしました!動きもぴったり。うーん、さすがGackt、
これだけ踊って歌えるアーティストは君しかいないぞ!!しかも一人だし、口パクも無しだ!!凄いぞ!!
よほど鍛えていないと、そんな真似はできないであります・・・
全体的に照明が本当暗いのですが、この曲はハードなくせにまた暗くて、目を凝らして見てしまいました。それがより一層暗くなって、「何すんねん」と思ったところ、暗闇の中突然Gacktの身体が宙に浮き、
くるくるくるっと3回転(おそらく)、周囲に近寄った4人の悪人を竜巻旋風脚よろしくなぎ倒すではありませんか!!その超回転は、かの「月下の夜想曲」プロモでGackt死神様が、洋館の階段上から更に天井へくるくるくるっと回りながら飛んでいく様を思い起こさせました。
驚いていると、さらにGacktの身体が宙に浮いて、マトリックスみたいな超ジャンプを繰り出します!この一連の動き、普通だったらわざとらしいというか、そのからくりにすぐ思いをめぐらすところなのでしょうが、
Gacktがやるといかにも「それらしい」気がして、本当にそんな技を体得したかのように感じるから不思議です。Gacktだったらできるかも、とか感じてしまうからおかしい!

そんなこんなで悪人どもを蹴散らしたGackt、「Speed Master」で仲間達と勝利の歌を歌い上げ(きっとコンセプト違う)、次は安心して「Fagrance」を歌いあげます。この曲はマイクスタンドが現れたように見えました・・・が、何にせよ会場が暗くて暗くて、どうなっているのか分からなかったというのが本当です。(^^;)両手を広げて歌っていたから、マイクスタンドでもあるのかなーと思っただけです。後方にあるスクリーンはこのとき月を映し出していました。しかも、月は段々と形を変えて、欠けていくのです。綺麗!しかし本音を言うと、見えないのでGackt映してくれたら嬉しいな・・・
多分、ライブというよりはGacktの場合舞台を見せているような、不思議な空間なので、ここでスクリーンに顔を映したりすると、コンセプト的に違うのだろうなー・・・その辺の折り合いは難しい。
そんなわけでスクリーンは月が支配していました。

「rain」ではその月(下弦の月ね)が水面に写ったかのようにゆらゆらと揺らめき・・とても幻想的でした。
そして歌の中盤でなんと!本物の水が降り注いできたのです。びっくりしたー。大きな水音がするので、何かと思った・・・遠くて、よく見えなかったのです。(^^;)ただ、きらきらとしたものが何やら降ってきているなあ、と思っていたのです。ライトがあたって水が反射して、とても光っていたものですから。オペラグラスで見ると、下が金網状になっていて、そこへ水が落ちていっている、というかんじでした。「rain」にぴったりな、雨の中での熱唱でした。
それにしてもこんな会場内で雨を降らせよう、なんて思いつくのは凄い!!初めてみました。
雪を降らせたり雷ならせたり、ぐらいならやっているのを見ますけどね、雨ですよ・・・凄いなあ・・・

それが終わると、しばらくギターの演奏になり、Gacktがいなくなってしまいます。
しばらくみんながGacktを呼んでいる状態。と、今度はメンバーがいなくなってGacktが一人出てきます。大きなマントを被っていて、照明もますます暗く・・・真中の階段上に座ったまま歌い、立ち上がって、ゆっくりゆっくり降りてきて・・・ステージ真中に立つとそのまま左手に向き直り、よろよろとしたまま歩き、脚をひきずり・・・ステージを去ってしまいました・・・

さて、その不思議な曲が終わると、状況が一転します!暗い暗いと思っていたステージが、ばーんと明るくなって、メンバー全員カジュアルな衣装になっていました!
「Another World」が始まります!おー、とっても元気だ!しかし全員が一気に服を変えてしまったので、一瞬どれがだれだか分からない!!しかもベースが元気にステージ真中一番前に踊り出てきたので、一瞬それがGacktかと思ってしまいました。よく見るとGacktギターではないし、なにやら小さいし違いそうだ。本人は・・・と見ると、元気にドラマーと絡んでいる!
と、いうことでなんだか翻弄されてしまいました。
この曲あたりで客席も元気に動きだし、手を振ったりしていました!Gacktも客席を煽り出し、ライブっていう感じです。
Mirrorなんかになると、メンバー同士の仲良しさが分かるというか、本当楽しそうに演奏していてこっちも元気になれました。

さて、MCに入ったのですが、いつもどおり「おかえりー!」「ただいまー!」を言うと、客席が静まりません。いつまでたってもわーわーと騒いでいて、Gackt、ぜーぜーと息を吐きながらなんとか静まらせようとするのですが・・・まったく駄目。で、「しゃべりたいひとは、挙手!!」というと一斉に手があがる始末。
Gackt先生、少し困ったようにしながら、颯爽と手を上げ、「はい!!」と挙手(笑)。
その様子がかなり可愛かったです。ちなみに衣装も、銀色のパーカーみたいなのを着ていて、フード付き!白いベルトに、ジーンズ?みたいな生地で足元はかなり短く、黒くて大きな靴を履いていてとってもカジュアルさんでした★可愛いの!!たまに臍も出て、かなり素敵でした。
そんな可愛い感じのGacktさんから挙手をされてしまっては、しゃべってもらわないわけにはいかないなあ・・・とかうっとりしていると、客席からはさらに「はい!!」と野太い声で挙手が。
野太いものだから、客席も大いにうけてしまい、Gacktは「しゃべりたいひとは挙手」なんて言ったものだから、その男性をなんと呼び寄せてしまいます。
男性は嬉しそうに駆け上り・・・ステージにあがってしまいました。
Gackt「いいよ、みんな怖がらなくて・・・」セキュリティの人が一瞬緊張します。私も緊張してしまいました。だって、変な人だったらどうするんだ〜〜!松田聖子がコンサート中に、興奮したファンに殴られた事件を知らないのか!!(><)怖い!!
とか思っているとその男性、かなり堂々としていて、仁王立ちなんかしたりして、さらにマイクもらうとGacktの物まねをしたりしていました・・・なんなんだ・・・そのなれた感じがちょっと嫌。
「ボクのライブ人生の中で、初めて客席から人を上げました!」とGacktが言っていましたが、もうしないでくれると嬉しいな(苦笑)心臓に悪いです。
その男性(杉本と名乗っていました)は、Gacktの物まねのままで客席を煽り、それからGacktと握手して去っていきました。何事も無くて良かった・・・・ほっ。
Marsツアーの時は、客席の上をロープ一本で大渡りするとか、(その時は、うっかり手を離して落ちて死んでしまったらどうしようとか、めちゃめちゃ不安でした)Gacktは心配をかけすぎです〜!
そんなことがあったものだから、GacktのMCはありませんでした。
「セキュリティの人たち、そんなに心配しないで。ボクはこの最前列にずらっと並んだ・・・セキュリティのみんなが一番怖いよ・・・」と言っていました。私はGacktが一番怖いよ・・・

MCはそれでおしまい、Soleilに入ります。
最初、1フレーズ歌った後、Gacktどうしたことか歌詞を忘れたらしくしばらく歌っていません!そんなの初めてなのでびっくりしました。どうした、実はさっきのことで動揺しているのか?
その後は普通に楽しそうに歌っていたので、とりあえず一安心。
ドレッドヘアーのギタリストと、楽しく振付けしたりして歌っていました。身体を左右に振って、客席を煽ったりしていたり!すぐそばにいた茶々丸に気付かずにつまずいたり(笑)、いろいろしていました。そういえばメンバー紹介がなかったですね。おかげさまでどれが誰だか分かりませんでした(苦笑)茶々丸だけ分かった。あとはドラマーがモヒカンだった。

Dearsの時は「すべてのDearsたちへ・・・」と呟いて始まり、「Missing」は「みんなに捧げます・・・」とかそんなようなことを言って初めていました。どちらも胸が詰まるように切なくて、綺麗な曲。Gacktの想いがたっぷりつまった、優しい歌。
染み込むように歌いあげてくれました。

そこで幕は閉じ、激しいGacktコール。
しばらくしてからすっと幕が開いて、白いコートをまとったGacktがいました。Gackt以外にも、全員がおそろいの白いコートを着ています。中は黒ずくめでした。
ラストの「memories」になると、ライブの最初に出てきたゾンビたちがまた登場し、ステージ上の一番高いところに、等間隔に並んでいました。途中一斉に指差したり、静かにふりつけがありましたが、マスクをつけて同じ動きをしているっていうのがとても不気味で、凄い効果になっていたとおもいます。
曲が終わると、一人一人会場をあとにします。真中にあった階段が開いて、下に下りるようになっているようです。その中に,ベース、ドラマー、下手ギター、上手ギターの順で去っていきます。最後に、Gacktがゆっくり・・・ゆっくりと去っていきました。
ちゃんと、メンバーをさきにさらせてから、自分が去るようにしているのですね。いつもいつも、これだけはと気にかけているのですね。それが胸に刺さりました。もう、メンバーを置いて先に去ることはしないと、どこかのインタビューで言っていた言葉が切なくて胸をつきました。

メンバーとGacktがいなくなったステージ上で、残った4人のマスクマンたち。全員両腕を胸の上にあてて、一斉に後ろへぱたりと落ちていきました。
最後まで生気を感じさせない彼らの存在感が、とても幻想的で良かったと思います。

Gacktのライブはアンコールもなく、そのまま終了です。
正味2時間弱の短いライブでしたが、とても内容が濃くていろいろと考えされられるライブでした。
それではまたあした!と思いつつ、いつもより早い時間に会場を出て帰ることができてよかったです。国際フォーラムは帰る時のごったがえしが無くて嬉しいです。




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